ジャパネットたかたの働き方改革の解説

 ジャパネットホールディングスとは、通販事業「ジャパネットたかた」などを手掛ける親会社です。

 2015年父親から長男に社長が引き継がれたのち、様々な働き改革をしていきました。その結果、売上は124%アップさせたにもかかわらず、残業時間は前年対比30%減少させました。

 このページでは、その働き方改革の内容をお伝えいたします。

 長期休暇の導入

 16連休できる「スーパーリフレッシュ休暇」を導入

 「スーパーリフレッシュ休暇」とは、連続した10日間の休暇を取得する制度です。公休の土曜日・日曜日を含め16連休取得を推奨しています。夏季休暇喉と組み合わせることができれば、さらに長期間の連休をとることができます。

 9連休できる「リフレッシュ休暇」の導入

 「リフレッシュ休暇」とは、連続すした5日間の休暇を取得する制度です。公休の土曜日・日曜日を含め9連休の取得を推奨しています。


 この休暇の導入には先代から「そんなに休んだら仕事はうまくいかんやろ」と、最近になっては、「16連休もよう休むね」みたいなことを、ぼそっと言われたそうです。
 昭和世代の人は、「バリバリ働いて給料をたくさんもらってなんぼ」(成功した経験が考えを変えなくする)という考えを持った方が多いですが、現在の若者は、「給料はそこそこでもいいからプライベートを充実させたい」という考えを持っています。つまり、今のニーズ(求職者の)に合わせることで、若い人の求人応募が多くなるのです。その結果、人手不足も解消される上、生産性も相対人件費もよくなります。

 最初は抵抗勢力があったようですが、社長自ら動くことによって、2017年には有給休暇取得率が60%になりました。この時点でスーパーリフレッシュ休暇は未導入(2018年から)なのでもっと上がっています。

 この休暇は、契約社員も取ることができます。そうすることによって契約社員のモチベーションを上げ生産性向上につながります。

 また、16連休を取るときには、社用携帯電話は会社に置いておくというルールにしました。携帯を持っていたら、「電話がかかってくるかもしれない」という気持ちになりしっかり休むことができません。
 休暇を取る部下の携帯にかかってきた案件は上司が対応することになるので、必然的に仕事がオープンになるのも、チームにとっては良いことです。休む前にしっかり報告・連絡をしなければなりませんが、チーム力の向上やコミュニケーションの向上にもつながりますし、電話がかかってきて対応するストレスもないです。そのため、仕事に対する満足度も上がります。
 また、2週間以上いないとなると、必然的にに誰かに仕事が回るわけで、「課長って、こんな仕事をやってくれていたんだ」などと気づきます。そうするとお互いに感謝の気持ちが湧いてきます。

 残業の削減

 2015年に22時以降の残業を禁止にしました。当時、日付が変わる時間まで会社に残っている人もいるくらい残業が常習化していました。そのため、22時でも「絶対に無理」という人が多く、かなり抵抗されたと言います。そこで社長は徹底的に無駄の削減を行いました。不必要な作業は削減して、できないことは排除しました。

 また残業をしなくなることで賃金が減少してしまうため、残業時間や残業削減率を考慮し手当を払うようになりました。

 2015年にノー残業デーを週1日、2017年には週2日導入しています。また、退館時間も2016年には21時、2017年には20時半と短くしています。

 残業は百害あって一利なしです。別ページで詳しく述べますが、死亡率のアップ、生産性の低下、仕事満足度の低下、人生幸福度の低下、人間関係の悪化などなど様々な害があります。ここを改革することによって、仕事の満足度は大きく上昇します。

 働き方の多様化

 様々な人が働けるよう、働き方の多様化も行っています。

 育児時差出勤制度

 育児時差出勤精度とは、30分~1時間、時間をずらした出勤が可能になる制度です。朝家事をやっていて指定出勤時間に間に合わないということや、夕方早く帰って家事をしなければならない。」という人などに向けた制度です。

 育児短時間勤務

 育児短時間勤務とは中学入学まで、1日最大6時間までの勤務時間の短縮が可能な制度です。家事をやらないといけなかったり、保育園や幼稚園に連れて行かないといけなかったりと、育児中は働ける時間が限られてしまいます。これにより働きたくても働けない人が出てきます。この制度の導入によって、働いてくれる人が多くなります。

 時間外勤務制限

 時間外勤務制限とは、1ヶ月24時間、1年150時間(12.5時間/月)を超える時間外勤務の免除する制度です。残業を制限することでプライベートが充実し、人生・仕事に対する満足度が向上します。

 産前産後・育児休業

 産前産後・育児休暇とは、妊娠中・産後1年未満を対象(保育園に入れない場合は2歳まで延長可能)とした休業制度です。女性はこの制度がなければキャリアをあきらめざるを得なくなってしまうことが多いです。そうすると女性の求人応募者数が減ってしまい人手不足になります。また、女性目線という能力も使えなくなってしまいます。

 健康

 タニタ健康プログラム(歩数や総消費カロリーを計測できる活動量計を配布し、各拠点へ体組成計と血圧計を設置)やタニタ食堂(健康に配慮したタニタ食堂メニューを提供する社員食堂を設置)、ストレスチェック(労働安全衛生法に基づいたストレスに関する質問票を配布し、集計・分析を実施)、健康検診(一般検診以外にも、希望者は会社負担でオプション検診の受診も可能)を導入することによって、人生・仕事への満足度向上をさせています。

 健康は、人生や仕事に対する満足度に大きくかかわっています。健康な人と健康でない人は2700万円の価値の差があると研究で証明されています。また急な欠勤があった場合通常はフォローでバタバタしますが、欠勤が少なければその手間が省けます。

 生産性向上の取り組み

 専門の講師を招き、生産性が上がる会議の進め方、的確な資料の作成方法などを学び生産性の向上を図っています。また、会議室利用時間を管理するためにアラーム音で終了時間を通知し、会議時間が無駄にならないようにしています。さらに集中ルームを導入し、1人で集中してやったことがいい業務は個室で作業できるようにしています。

 こうすることによって、時間あたりの効率・正確性などの生産性の意識を高めています。

 その他

 週休2日

 週休を2日にすることによって、プライベートな時間や自己啓発活動ができるようになり、人生・仕事の満足度が向上します。

 インターバル

 インターバル勤務制度も導入して、勤務と勤務の間を必ず9時間は空けるというルールも導入しています。インターバルがあることによって、プライベートの時間や睡眠時間が十分に確保され、満足度だけでなく、生産性も向上します。

 託児所

 生後2ヶ月~10歳を対象に1回300円で利用できる託児所が会社内にあります。そうすることによって、安心して働ける環境を作っています。

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