室内温度を変えるだけで生産性が上がり残業が減る!?

 皆さんの職場の室温は何度ですか?

 28℃の場合仕事の生産性が下がっているため、早急に改善したほうがいいです。

 兵庫県姫路市の例ですが、市役所本庁舎で7月~8月の室内温度を25℃に設定しました。そうすると、総残業時間が14.3%減少、職員アンケートでも85%が「業務効率が向上した 」と回答しました。

 つまり、3℃ほど室温を下げることで、月20時間残業している人は約3時間、月40時間残業している人は約6時間も残業の削減効果があるのです。残業は心臓・血管疾患のリスクを上げていることが国際機関の研究で分かっています。つまり残業は、命を削っているのです。3℃下げるだけでも心臓・血管疾患リスクを低減させることができるのです。

 このページでは、室温を3℃下げるメリット・デメリットや体感温度による快適性の追求の仕方について解説していきます。

 気温による影響

 大学が行った研究

 とある研究で、室内気温が28.9℃と21.6℃の状況でビデオを見た後に内容を聞いたところ、室温が高いほうが正答率が低くなりました。
 また、室内環境・心理評価アンケートでは、室温が高いほうが室温が低い場合と比べて、集中しやすさの低下、疲労感のアップ、精神的な気分の悪化、匂いによる不快感のアップ、眠気の増大があると回答しました。※このアンケートで室温が高い場合のポジティブ面はありませんでした。
(参考 https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/wise/j/pdf/J08H0061400.pdf#search=%27%E5%AE%A4%E6%B8%A9+%E5%8A%B9%E7%8E%87+%E7%A0%94%E7%A9%B6%27)

 この実験結果より、室温が不快(高い)なほど、記憶力、集中力、思考力が低下し、眠気も誘うことが分かります。その結果、ミスが多くなったり、良質なアイデアが出てこなくなったりということも起こります。
 さらに、汗をかいた場合、うちわなどで仰いだり、服をパタパタしたり、汗を拭いたりしますよね?これが1日に1分を5回だとして月に20日働いた場合100分もの時間や賃金が損になります。

 大学・日健設計が行った研究

 さらにコールセンターを対象にした研究では、室温が25℃から26℃になると作業効率が下がることが確認されました。室温が1℃上昇すると1時間あたりの応対数が0.16件低下しました。本来は7.75件応対できていましたが26℃になると7.59件しか応対できなかったのです。つまり1℃違うだけで2.1%業務効率を下げたのです。
(参考 https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2005.3/0/2005.3_2053/_pdf/-char/ja)

 この実験結果より、相手がいる場合でも生産性が変わることが分かりました。ストレスが多い職場では、理不尽なものになど対して冷静に考えられず、相手をなだめられないことが多いですよね。逆に良い環境で仕事をすることにより、落ち着いて冷静に相手の話を聞き、相手も納得できる対応をできると考えられます。この検証では25℃の方が、応対数だけでなく、相手に対する質も上がっていると考えられます。

 コーネル大学の研究

 逆に20℃と寒い場合も生産性は下がります。職場の室温を20℃から25℃に上げた場合、タイピングのエラーが40%削減でき、最終的に生産性が150%も増加したといいます。

 

 費用対効果

 姫路市は、「室温が25度から28度に上がると作業効率が6%低下する」という専門家のアドバイスをもとに7月16日~8月31日の間、室温を25℃にしました。

 その結果、光熱費は7万円増えましたが、職員一人当たりの残業時間が、21.6時間から18.7時間(全体の残業時間も14.3%減)に減りました。残業時間が減ったことで人件費も4000万円も削減できたと言います。

 まとめ

 室温が1度上がると生産性が2%下がると言われています。今まで28℃であった会社の場合、室温を下げるだけでも残業削減の効果はあるでしょう。
ただし、気温の感じ方は人それぞれです。25℃が寒いという人もいれば、暑いという人もいます。個々に合った気温調整はできないため、服装で調整するしかありません。
 そこで、オフィスウェアを私服にしてもいいのではないのでしょうか。私服の場合個々で調整できますし、外は暑いから薄着で室内は寒いから一枚羽織ってなどと調整できます。私服なら、服装についてのコミュニケーションもできるため、社内のコミュニケーションづくりにも役立ちます。

 ただし、条件もあります。スーツの効果は非常に高いです。メンタルを安定させたり、仕事ができるように見せたりします。
 皆さんはボロボロの服を着たセールスマンとキリッとスーツを着たセールスマンの二人(接客レベルは同じだと仮定して)がいたとしましょう。どちらのセールスマンから服などの商品を買いたいですか?やっぱり、キリッとした人から買いたいですよね。人は、見た目で仕事ができるかできないかをおおよそ決めてしまっていて、仕事ができそうな人に対して「この人ならいい買い物ができる」と思いこみます。もしボロボロの服を着たセールスマンの方が接客技術が上でも、たいていの人はキリッとした人から商品を買います。

 営業マンやセールスマン、会社の上長などは、スーツのメリットを生かすべきです。逆に営業マン・セールスマン以外の平社員は、集中力や注意力を阻害するスーツを着ない方が生産性は上がります。



 日本には春夏秋冬があります。そのため、四季によって快適温度が変わります。夏は25℃が良いと考えられますが、冬は暑いかもしれません。いかに多くの従業員が快適に仕事ができるような室温設定をすることが生産性を上げる意味では求められます。

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