コロナウイルス

コロナウイルスの非常事態宣言がなかなか出なかった本当の理由

 4月7日に、新型コロナウイルスによる、「非常事態宣言」が政府から発表されました。

 しかし、4月8日に、新型コロナウイルスの感染確定者は、東京だけでも144人、全国で503人となりました。このことを受け、世論は「非常事態宣言を出すのが遅い」と7割の人が考えました。ではなぜ、ここまで遅くなったのか、その理由を解説いたします。


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 非常事態宣言を出すメリット・デメリット

 まず始めに、非常事態宣言を出すメリットとデメリットを理解しなくてはいけません。

 メリット

まずはメリットです。

1、新型コロナウイルスの感染者数、死者数の抑制
2、医療現場の効率化

1、活動を自粛することにより、感染者との接触確率を下げるため、コロナウイルスの感染者や死者を抑えることができます。
2、オンライン診療や軽症者のホテルでの隔離により、非接触で診察できたり、ICU(集中治療室)などのベット数を確保できます。その結果重症者をICUで見ることができ、死亡率を下げることができます。また、軽症者には自立した隔離(ホテルなど)を行うことにより、看護師などの人材の確保もできます。

 デメリット

では、デメリットは何なのでしょうか。

1、収入(労働者)の減少
2、失業者の増加
3、うつ病患者の増加
4、自殺者の増加
5、税収の減少
6、自粛に対する補償
7、学業の遅れ
離婚、DV・・・などの、デメリットがあります。

1、経済活動を自粛により止めることは、収入の減少が起きます。
2、賃金が払えない場合解雇(倒産解雇を含め)が起きます。
3、家にこもることでメンタルに異常をきたしたり、失業したりすることにより、うつ病患者が増加します。
4、うつ病による自殺者や、失業によって先が見通せなく自殺する人が出てきます。
5、GDPの低下、企業の倒産により税収が減るため、国のコロナ対策費も減ってしまいます。また、失業保険の増加や、うつなどの医療費の増加も起きます。さらに、倒産などは将来の税収の減少にもつながります。
6、自粛を名指し(要請)すると、そのターゲットにされた企業は、補償を求めます。つまり、多額の予算が必要です。
7、とりあえず休校にはなりましたが、新型コロナが1カ月で収束するわけはなく、カリキュラムが終わらない可能性があります。


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 なぜ、国は非常事態宣言を今まで出さなかったのか

 まず上記の、メリット・デメリットで述べた通りのことがあります。

 死者

 死者に関しては、コロナを優先すれば経済的な死者が増えますし、経済を優先すればコロナによる死者が増えます。つまり、一番死者数(両者の)が少ない妥協点を選ばないといけなかったのです。早すぎてもダメですし、遅すぎてもダメなわけです。

 自粛量

 非常事態宣言を出しても、日本は外出をを強制的に防ぐ法律がありません。感染者数が少なく国民が楽観視している状態で非常事態宣言を出した場合、自粛意思が弱く非常事態宣言を出す意味が減ってしまいます。その後感染者数が増えた場合、もう一個上の宣言がないため、結果的(同じの感染者数だとしても)に自粛量が少なくなってしまいます。また、非常事態宣言の程度が低い場合、高い場合より期間が長引くため「自粛疲れ」などにより、反動が起きやすいです。桜が満開の三連休がその例でしょう。
 
 つまり、非常事態宣言は少しだけ遅く(早すぎない)出して危機感を煽り、自粛してもらう方が自粛量は増え、効率的です。

 補償

 非常事態宣言での一番の問題は、補償です。
 自粛の要請は、強制力(法的に)はありませんが、現代のネット社会で、要請を拒否すればその企業に対する好感度が下がり、将来的に売り上げが落ちます。つまり、実質的には強制力があります。そのため自粛を要請された企業は、自粛するしかないのです。そうなると、家賃や人件費などの損失が出てきます。

 そこで、非常事態宣言を出すタイミングと、補償の関連性について考えていきます。まず前提として、予算的に全てに対し休業補償することは不可能です。
国内の世論が「非常事態宣言を出すのは早い」と思っている場合、簡単に言えば全額休業補償を、非常事態宣言を出した者に求めてきます。しかし、世論が「非常事態宣言を出したほうが良い」と思っている場合、「コロナウイルスを抑えるためにはしょうがないよね」「このまま感染者が増えたほうが損失になるよね」と考えているため、求める補償の程度や数が下がります。その結果、休業補償に使う予算を削減(※)できるため、非常事態宣言を出せたのです。

 つまり、世論によって、国がこの時期に非常事態宣言を出したのです。
 
 「非常事態宣言を出すのが遅い」と言っている人が多いですが、早ければ、自粛期間が長引く上、休業補償が増えます。そうなると、ありえない位(不可能)の予算(税金)が必要になります。そのため出せなかったのです。世論が「非常事態宣言を出せ」となれば、補償の程度や数が下がるため国はいち早く非常事態宣言を出せました。遅い理由は、国民(世論)のせいです。こう言うと、「自分は専門家ではないから分からない」という人が出てきますが、国に補償を求めるのは感染症の専門家ではないわけで、その補償を求める人が危機意識を持たなければいけなかったわけです。
 筆者も、非常事態宣言を出すのが確かに遅かったと思いますが、遅かった理由は国ではなく世論なのです。

※「休業補償に使う予算を削減」ですが、決して「払いたくない」という感情などではなく、もともと不可能な額なため、「削減せざるを得ない」ということです。非常事態宣言が早すぎると、補償の削減に国民は納得してくれませんが、非常事態宣言に国民が納得してくれると、補償の削減にも納得してくれます。

 東京都の策略

 小池都知事の会見を見ると、何が何でも国に「非常事態宣言」を出させたいオーラ(コメント)が出ていました。北海道は、都道府県単位の非常事態宣言を出したのに、なぜ東京都は、非常事態宣言を出したくなかったのか。これは、上記でも述べた補償が原因です。

 非常事態宣言を出した場合、休業などの補償が求められます。都が出した場合すべての補償を都がしなくてはなりません。しかし、国が非常事態宣言を出すことによって、国と都の両方の責任?になり、補償は国と都の両方(国の方が多いかな)で負担すれば良くなります。つまり東京都は、国に非常事態宣言を出させることによって、補償の負担をを半分以下にできたのです。

 これが、小池都知事の会見で垣間見えた、国に非常事態宣言を出させたいオーラの正体なのです。簡単に言えば、都が国を利用したのです。

 今後

 東京都は自粛が進むでしょう。クラスター感染も多数発生するとみられます。
 海外みたいに自粛に強制力はなく、ニューヨーク以上のパニックになる可能性も無くはありません。ただ、日本人はアメリカやヨーロッパなどの国ほど、楽観的ではなく悲観的なため、感染者数の上昇割合は低いです。
 海外の事例(強制力のある)と違って、強制力がない日本は、国民性に頼るしかありません。また、他国での同じような前例がないため、感染者数がどう推移するのかわかりません。少なくとも1カ月(非常事態宣言期間の)では終わりません。完全封鎖した武漢でも2カ月以上かかっています。

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