人手不足対策をしなければ会社はつぶれていく!?

先に結論から言います。人手不足対策はほとんどの企業で必須です。現状の日本では人手不足対策をしなければ、人件費が高騰し、赤字に転落します。赤字に転落すると赤字を抑えるために、事業縮小せざるをえません。

逆に人手不足対策をして、数十年後生き残ることができれば、寡占状態にすることができ(他の会社の多くは人手不足で撤退するため)、会社の地位を不動のものにすることができます。

 日本社会の現状

今現在少子高齢化が大変問題になっています。第1次ベビーブーム期は4.3以上あった合計特殊出生率(1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均)が、2016年には1.44になっています。人口を保つのに必要な合計特殊出生率は、2.07(幼少期に命を落とすこともあるため、2.0ちょうどとはならない)となっています。つまり日本は子供に向けた補助金を多くして出生率を2.07以上にするなど、国全体が変わらない限り人口の減少は抑えられないのです。


今現在、労働力人口(就労している・就労する意思のある人の数)は増えています。女性の社会進出や、高齢者の再雇用、就職氷河期の失業者の雇用、健康寿命(健康で自立した生活ができる年齢)の上昇などにより6年以上連続で増えています。1989年のバブル絶頂期の労働力人口は6200万人、1997~1998年にかけて6800万人に達しピークを迎えました。2012年は6565万人といったん底を打っていますが2019年は6731万人と回復しています。つまり、少子高齢化ではあるものの、労働力人口は過去最高クラスなのです。



ではなぜ人手不足に陥っているのか。それは、現場が問題なのです。

建設業やサービス業、医療福祉業など、重いものを持ったり、生活が不安定になったりと大変な仕事は、敬遠されやすいです。高齢者が介護で人を抱えるのは無理ですよね?女性が家事をしないといけないときに仕事をすることはできないですよね?男性が家事をすれば良いという方もいますが、男性も働いていることが多いです。フルタイムでお互いが働いていたら子供の面倒なんてほとんど見れません。では、若年層に頼ればいいのじゃない?とも思うかもしれませんが、少子高齢化の影響で減ってきています。そのため慢性的な人手不足なのです。

一方事務職に関しては、有効求人倍率が0.25切っている(4人の応募で1人しか採用されない)ともいわれています。事務職は定時で上がれることが多い上、重労働でもありません。子育てなど家庭を持つ女性にとっては、天職のようなものなのです。


つまり、働きたいと思える場所には人が集まり、落ちた(採用されなかった)場合働かないで同じような条件を探している方が少なからずいるということです。

 人手不足で事業縮小した会社

以下は、人手不足で閉店した有名3社を紹介します。この3社以外も人手不足による倒産・事業縮小などが行われています。

 ミニストップ

ミニストップは、人手不足の影響で人件費が高騰し、全体の10%近くの193店も閉店させました。

ミニストップの人件費の高騰が抑えられなかった理由は、ファストフードです。ソフトクリームや、ハロハロ、パフェ、果実氷などのファストフードを販売していますが、それらを作るのに高い技術が必要です。新人をトレーニングする場合食材の原価などのコストがかかってしまいます。製作もマニュアルを覚えて注文来てから1つ1つ手作りしてと大変です。そこで長く働いてもらうために人件費を他のコンビニよりも上げていました。

さらに他社との競合も激しい業界です。ミニストップは他社と比べ規模が小さく開発資金などが少ないためファストフード以外のこれといった売れる商品が少なく、1日の売上が他社に比べ少ないです。その結果月で十数億の赤字を出し、193店舗という大量閉店せざるを得なくなりました。

 ゼンショーグループ

ゼンショーグループで、大量閉店したのは有名牛丼チェーンの「すき家」。

客単価が安いことや人手不足の影響で、ギリギリの人員配置しかせず、長時間労働(24時間営業の店は特に)が当たり前でした。また、いくつもの店舗がワンオペ(一人で店を回すこと)で運営していたことが問題になりました。そこに追い打ちをかけるかのように、手間のかかる鍋メニューを出し従業員の負担を倍増させました。そのため余計に人手不足になり、さらに厳しい労働になるという負のスパイラルになりました。その状況を本部が認めない(現場の声を聞かない)ことも離職の理由になり、離職によるストライキ運動まで行われました。

人手不足の閉店を本社が「改装」などといい、閉店店舗正確な数字は出ていないですが一時250店舗(約13%)余りが休業し、約10%営業利益が下がりました

 モンテローザ

「漁民」「笑笑」「白木屋」などを手掛けるモンテローザが、人手不足を理由に100店舗(約5%)以上閉店させました。

外食産業(特に居酒屋)は、給料も低く労働環境が悪いというイメージが定着しており、どうしても人が集まりません。また、居酒屋産業も減衰していっているため、売上も伸び悩んでいました。

 人手不足をどう改善すればいいか

将来少子高齢化によって労働力人口が減っていくことが推測されます。しかし、魅力的な会社や条件にあった会社でしか働かない人もたくさんいます。どうやって人手不足を改善すればいいのか。それは、他社と差別化できるくらいの魅力を作ればいいのです。大前提としてむやみに時給を上げてはいけません。周りを見てみてください。時給が明らかに高い仕事なんていくらでもありますよね。そこに挑むのは会社を潰す潰すだけです。これは、苦手な分野で稼ごうと思っているのと同じことです。そこで得意な分野(その企業の特徴)を生かし、従業員のニーズを満たした人手不足対策が必要なのです。

「そんなのうちの会社には無理!」と思う人もいるかもしれませんが、従業員が会社に何を求めているのか調査し改善していくだけでもだいぶ変わります。

ほかのページでどうやれば人手不足が改善されるのか様々な案を解説しますので、是非お読みください。

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